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Artを病院に下さい 1
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医療環境にアートを!

  アートを病院に下さい 主宰 池俣武生

人間は病んでも健やかに生きていけるために、病院や老人ホームや住宅での環境を大切なものとして考えねばなりません。そして音楽や美術や花、周囲の風景画、窓、ドームなどの美が、人間が生きていく上で非常に大切だと考えています。

  癒しと安らぎの環境フォーラム実行委員会 

            名誉会長 日野原重明

 

   病院で、アートパフォーマンス  愛知県がんセンター

病院で、アートパフォーマンスが!
放射線治療を受けて帰ろうとする女性Oさんが病院のロビーを通りかかると尺八の音色に足を止める。1階のアトリウムの広場で、これから「公開ドローイング」が始まるという情報を聞く。
今までに体験したことがない幸運な遭遇をとても喜んでくれ、翌日その感想を私に話してくれた。愛知県がんセンターで行われたこのアートパフォーマンスは,京都在住の現代美術作家・篠原猛史さんが取り組んだ。
「黒い上下服に、素足で現れた篠原さんに視線が釘付けになり、大きな紙の上で生まれる作品に期待で胸が膨らみ、全身の生命力が指先や手のひらに集まる。真っ白の和紙の上に、墨汁を放り投げるように垂らしたり引っかいたり、画面の中央をより黒く線を集中させ左に右に上に下にと無心で力強く、和紙が破れても意識しない、床が見えても描く強さは変わらない。傍で奏でる若い尺八奏者の遠藤正一郎さんの尺八の音色が心地良く、作家の持つ命の木炭が和紙に滲み込まれていった。そこから生まれる線は魂がこもり、力強いが優しい表情をしていて、黒色だけで表現された作品に感動した」と話され「幸せな時間を過ごすことが出来、久しぶりに心が癒されるのを感じた1日でした」と言い、早く病院に飾られるのを楽しみにしますと話される。入院で治療中の男性Aさんは「入院は単調だからこのような公開制作はとてもうれしい」と話す。また入院で治療中のSさんは、美術は解らないが、力強い描きに勇気をもらったよ、それに尺八の伴奏がよかったね」と私に話してくれた。

篠原さんの10数分間の公開制作には車椅子の入院の方、外来の患者さんなど150名の方々が観入っていた。この制作シーンを見ていてることで「いっぱいの勇気を頂いた」と多くの患者さんが喜んだ。アーチストの方々が病院に進出することによって、多くの患者さん達の心が和み、癒やされ、生きることへの力と勇気が受けられることをもっと積極的に考えなくてはいけない。私が提唱している「アートを病院に下さい!」。親しくしていた友人(ギャラリーオーナーのS氏)が入院中の事であった。今回の実現は、私の思いを感じとったS氏が病床から入院患者として提言され実施した。S氏は、篠原さんの描いている姿を見ていると「いっぱいの勇気が沸いてくるんです」と言い、篠原さんを薦めてくれた。

日本の病院に欠けているのは、患者さんの心を落ち着かせ癒やされるアート・スペースが存在しないことであろう。寄付された絵画作品を漫然と掲げている現状を、21世紀の今、再考しないといけない。これは、医療行政から予算計上されて達成する。       

  アートの溢れた病院に居ますと、自己治癒力を高めます。

           アートコーデイネーター 池俣武生

 


名古屋市立千種スポーツセンターに設置してある 「おさげの少女」モディリアーニ

池俣武生が推奨している美術館のアウトリーチの実践例。
現在進行している動きは、上記と同様、公共施設において公立(同じ自治体)美術館のコレクション作品のレプリカを病院に展示しようとするもの。治療通院の患者さんに元気を与える作品を提供し、自然治癒力を高めることを意図とする。

 

放射線治療装置は、地下に設置されることが多い、放射線の遮蔽の考慮と立ち入り区域指定場所から地下が選ばれる。

地下の閉鎖感を取り除く吹き抜けが採用された。中央には彫刻作家の作品の設置が見られる。この作品がBESTと思わない、けれども現代彫刻作品を受け入れるスタッフはいない。この場所に設置する作品の購入に私も同行した、が現代美術作品の設置は見送られた。現在、私の推奨提案は、「病院にアートを下さい」である。「病院に専任の学芸員を下さい」が含まれることを更に認識して頂きたい。                アート・スペースの必要性なのです。放射線治療部建設と外部治療照射室の機能を配慮した「レイアウト案」が多く出された。その時の私のレイアウト提案のコピーを示す。夢のある試案には「吹き抜け」が溢れていた。

 アートのある病院にいると、自己治癒力を高めます。

治療を受けている患者さんが記念にと 言って、アート作品のある放射線治療室の写真を撮られる。

                池俣武生

 

放射線治療照射のコントロール室にも何点かの作品を展示する。
これら医療施設内の環境の配慮を病院側が予算計上して行うべきであろう。

 

放射線治療照射は、予約制がとられていている。待合室の、白い壁面にこのように平面の版画作品が展示されている。
テレビの騒音を聞いているよりは、「心を安める」のに適した作品だと私は感じた。
椅子はデザインの優れたものを設置。その周辺には、生命力溢れる小さな観葉樹。

 

病院にアートをお届けするプロジェクト 庄司達作品一宮市立市民病院 放射線治療室 [赤い布による空間-遠くの空へ] 2010 3月10日
病院アートコーディネータ 池俣武生

第八回 癒しの環境研究会 全国大会ー秋田大会
大会テーマ アートと癒し 互換への刺激、そして活力
平成20年3月1日(土曜)~2日(日曜)
会場 秋田キャッスルホテル-秋田拠点センターAL☆VE(アルヴェ)

 

 

  入院患者さん、外来の患者さんの見守る中で、美術作家・篠原猛史さんの作品制作が始まった。20分間の制作時間であった. 多くの方が「いっぱいの勇気を頂いた」と喜んでくれた。

篠原猛史さんのプロフィール

癒しと安らぎの環境研究会からの 感謝状。同センター放射線治療部の壁面には、常に「心落ち着くアート作品」が展示され、3ヶ月毎に替えられていた。これらの作品は、 私の コレクション作品であった。

放射線治療の廊下側から吹き抜け部分が見られる。
左サイドは椅子とテーブルのあるスペース。白い壁面には、コンテンポラリー作品が3ヶ月毎に替えられ展示される。

治療照射患者さんの待機ソフアー近くには、日光が好く当たる場所がある。   「治療部長の育てたランの花」がきれいに咲き誇っている。この場所は旧治療棟。


美術館のアウトリーチを2009年に新館となる市立市民病院の放射線治療室に設置することでいっぱいの勇気が頂けます。病院の近くの市立三岸節子記念美術館に「元気がもらえる」三岸作品があります。本物の移動は困難ですからレプリカで好いのです。待合室には液晶モニターを設置し、作者が90歳のときに描いた作品など、感動できる映像を頂きたい。以下の第2回、放射線治療品質管理委員会で議題にしてお願いしました。

管理委員会 
2007年12月26日

 



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